子供の頃のある夏の日の思い出。
お風呂に入ってから晩ご飯を食べてテレビを見ながらダラダラする。
そうしていると、家族の誰かがアイスが食べたいと言い出す。
そんなとき僕は必ずパシリに立候補していた。
なぜなら、おつりがもらえるし、何と言っても夜に行くスーパーの雰囲気が大好きだったからである。
クーラーきいた家からパジャマ姿のまま一歩外に足を踏み出すと、
日本の夏の嫌な熱気が襲ってくる。
街灯の明かり以外は真っ暗な空間で子供の頃の僕にとっては高揚感があった。
そしてスーパーに到着。
青白い殺虫機に虫達が集り、バチッといった音を挙げては落下していく。
たいした距離を歩いた訳でもないのに汗はダラダラ。
スーパーの自動ドアが開くと同時に刺さるような冷気。
風呂上がりという事もあり、清涼感が体全体に突き抜ける。
閉店間際なので、店員は一人か二人。
勿論客もほとんどいない。夕方とはうってかわってどこか寂しさのある感じだ。
j-popの人気曲がいい感じの安っぽいインストアレンジで店内に響く。
その他にもカシオペアやTスクウェアっぽいフュージョンも掛かっていた思い出がある。
閉店十五分前ぐらいになるとオルゴールverの蛍の光が掛かり、お別れ気分がグッと増す。
アイスやお菓子を物色しているうちに汗も引き、すこし寒気もしてくるのでお目当ての物を手に入れて退散。
そうするとまた夏の夜の嫌な熱さが僕を襲ってくる。
帰り道は行きと違って何か出そうで怖いので少し早歩きで家を目指す。
こんな思い出もあり、僕は夜に行く夏の日の閉店間際のスーパーの雰囲気が大好きだ。
あの物寂しい雰囲気。ダッセー店内BGM。異常な冷房の効き。
すべての要素が最高である。まさにエモといったところだ。
今になってもこの雰囲気を体感するために、よく夜になるとスーパーに行く。
ココで大切なのが、必ず風呂に入ってから行く事である。
そうしないとあの雰囲気は100%味わう事はできない。
何か懐かしいような悲しいようなセンチメンタルな気持ちになれるので是非お勧めしたい。
あとスーパーのトイレでうんこするのも堪らない。
BGMがいい感じに遮られて聞こえてエモさ倍増です。
BGMでいったら特に元気のいいポップなフュージョンぽい謎曲とか、j-popのmidiっぽいアレンジした奴。
ああいう毒にも薬にもならない曲って大好きだ。
あとコロッケとか魚コーナーに特化したうっせー曲もたまらない。
アレを一日中聴かされる店員さんは気狂うんじゃないか?
余談だが一時期地元のスーパーではF1のテーマ曲であるtruthしか流れなかった時があった。
僕は夕方、親についてスーパーに行くたびにおばちゃん達の熱気とあの熱い曲を重ね合わせていた。
この曲最高です。こういうの専門にやってるのがあるの知りませんでした。