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2016/07/04

【いまさらメロコア名盤ディスクレビュー】HAWAIIAN6 Days

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000LC5408/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000LC5408&linkCode=as2&tag=tapo1127-22
車を買ってから移動中などに音楽を聴く機会が増えまくり、applemusicなどの定額制聴き放題サービス加入も伴って聴く音楽の幅も広がりまくるかと思えばそうでもなく、ひたすらに中学時代に好きだったメロコアバンドを聴き直すという日々を送っています。

正直大人になった今、当時のメロコアバンドの音源というのは思い出補正があってもダサさを感じるというか、「よくこれがこの世で一番かっこいい音楽だと思ってた時期があったなー」など恥ずかしくなることが多いのですが、やっぱりその中でも今でもバチボコに色あせずにカッコイイままの音源も存在するのです。

そんな色褪せないメロコアバンドの音源をいまさらレビューしていきたいと思います。
それと同時に、紹介する音源のテーマとして「そのバンドの個人的ピーク」的なものを重視していきたいです。

一発目はみなさんご存知、HAWAIIAN6です。
ハワイアンといえばメロコアに哀愁要素を前面に取り入れ、ポップで良メロだけが取り柄でパワーコード全開のバカっぽいイメージのメロコアミュージックに若干のドラマチック性を取り入れたことで有名(?)です。
泣く子も黙るPODから横山健プロデュースで出したバカ売れアルバム「Souls」、それに続くmagicなどを含むミニアルバム「across the ending」、勢い保ったままのセルフプロデュースアルバム「beginnings」の三部作あたりが名盤として世間では考えられているのですが、個人的にはその後に出したPOD所属時代最後のシングルである「Days」をキャリアハイとして考えております。

この音源をリリース後、すぐさま独立からの自主レーベル創設を果たし、当時のバンドの勢いの良さとメロコア的なくくりから逸脱してるのではないかと思わせるようなセンスあふれる楽曲たちが魅力であります。
まあ、正直この次のミニアルバム「RINGS」から露骨に才能が枯れた感といいますか、メロディの枯渇や似たり寄ったりのコード進行、手グセやアレンジで誤魔化すということが多くなり、自身のメロコアへの興味の喪失と同時期ということもあって「どうしたハワイアン?」となってしまった思いがあります。

全3曲なのですがドラマチック、哀愁、美メロそれぞれの方向性に全て高水準で振り切っており、個人的にはハワイアン6の魅力が全て詰まっている名刺代わりのシングルになるのではないかと考えています。
それでは各局の感想に移りましょう。

M-1 Metropolis
個人的にはHW6の全楽曲の中で一番好きなのがこの曲であり、哀愁メロコアの完成系といっても過言ではないです。
ギターのコード進行やドラマチックなアレンジが最高ですし、ベースが後ろでブリブリ動き回る感じも実に好み。
メロディラインも哀愁のベタというか正解的なラインのものですが、哀愁メロコア特有の臭すぎるメロディラインや展開を微妙に避けながらドラマ性のあるもの仕上がっております。
あとこのシングルはギターの音作りがまた最高でありまして、コードでかき鳴らしまくっているのに単音それぞれの音が聞こえるような、場合によってはチープ感が同居するような危うさが魅力的なのです。

そしてコーラスのトオル氏のやりすぎ感。
最後の掛け合いのところなんて高音で喉張り裂けそうな笑ってしまうような感じなのですが、ギリギリのラインで成立しているのがいい。(正直、この次の音源以降からコーラスの主張が強すぎて癪にさわることが多くなりました。あとボーカルのヤスノ氏の歌い方が雑になっていったような気も)

それまでのHAWAIIAN6的な楽曲のルールを守りながら新たなメロディや展開を掘り進めていく感覚、そしてコーラスワークのギリギリセーフ感、これらの危うさが同居した勢いがおそらく当時聞いていた僕にはツボにはまりまくったのでしょう。

弾いてみた動画しかないという虚無。しかも実家で。


M-2 Days
メインタイトルでもあり、哀愁など「陰」の要素が魅力であるhw6のもう一つの魅力である「陽」の要素が存分に詰まっている楽曲がDays。
正直これはメロコアっちゃあメロコアなんですが、個人的にはそういうジャンルから逸脱した普遍的なポップチューンであると考えています。
メロコア的な楽曲には速い・美メロ・バカっぽいという三原則がありまして、その三つを満たしながらそれぞれのバンドは個性を持ちだすのですが、Daysに関しては、「バカっぽさ」を取っ払い、もはやメロコアを超えた次元のバンドサウンドを実現している気が刷るのです。

もちろんメロコア的価値観から考えるからこの楽曲はメロコアを超えたと考えることができるのであり、普遍的なバンドサウンド的価値観から考えると特にメロコアorNOTであるとは判断つきません。
あくまでどっぷりとメロコアサウンドに浸かった十代を過ごしてきた筆者だから見抜ける微妙な差であり、それを逸脱したからこそのマスターピースな楽曲であると言えるのです。

まあこの曲も好きな部分を挙げるとしたら、メロディラインはもちろんのこと活動的なベースラインですね。
やはり活発なコードワークとその後ろでユニゾンに徹することなく動き回るベースラインがあるとメロコア的な「バカっぽさ」から逸脱するための突破口になるのでしょう。(まあバカっぽさの一番な要因は必死感溢れる気合ドラムの単調さであると思いますが。プラスコーラスワークの凝りさも脱却への重要な要素の一つです)

この動画のようなゾワゾワ感がゼロ年代以降のメロコアユーザーの気持ち悪さです。

M-3 Without A Sound
前の二曲とは違い直球の哀愁メロコアサウンドをここに来て投げてきています。
楽曲の展開やコードワーク、メロディラインにしても既存楽曲に似たり寄ったりな部分は正直あると思います。
しかし、そのhw6のベタを寄せ集めたようなサウンドが実はhw6サウンドのある種「正解」のようなものを作り上げている気がしてならないのです。
なんかこの曲だけ無理やり褒めてる気がするけど笑

メロコアに於いては楽曲の「知ってる感」、いわゆる既視感ならぬ既聴感が魅力全体を削ぐような要素として各バンド避けて通れない道となっており、バンドを長く続ける上での壁となっているのですが、それをアレンジセンスなどの小手先誤魔化しをすることなく、「いいもんはいいんだ!」という態度で直球を投げて超越してるような意思をこの曲からビシビシと感じ取れるのです。基本に忠実なのが一番的な。

 
もしかしてhw6最速かも。

まあこんな感じですかね。
才能や技術的な成熟はもちろんのこと、バンドを取り巻く環境や内部の状態の良さなどが音源に反映される好例だと考えています。
僕から言わせるとHAWAIIAN6はこのシングルでできることは全てやりつくしちゃったという印象です。
今でも新たな音源が出るたびに一応チェックはし続けているのですが、この時期の楽曲を超える水準のものはないといいますか、無理くりなアレンジセンスが向上する一方で根源的なメロディラインなどに革新性が見られないのです。
それは決して不満でもなんでもなくて自分の中にある確かな事実として見守っていくしかないのです。特に彼らのような作曲ブレーンが一人であるバンドは、メンバーチェンジなどがあってもそういうものとしてボロボロになっていく姿を見続けていくしかないのです。
これもまた一興。

2015/04/02

the band apart 謎のオープンワールド

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00PFTJY6M/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00PFTJY6M&linkCode=as2&tag=tapo1127-22
バンアパ7枚目のアルバム、謎のオープンワールド。
今回は相変わらず日本語詞、そして作曲体制が以前の分業から合作に戻るという変化がありました。
その割には曲の元ネタを尊重した形というか、各個人の特色が出まくった楽曲が多数あった気がします。
所謂、これまで築き上げてきた「バンアパ感」みたいなのから脱却を果たしており、そこが受け入れなれない人もいるらしく、僕個人としては常に新たな方向性は歓迎しているので、そういう部分が賛否両論分かれるところなのでしょう。

それでは全曲の感想を。

M-1  (opening)
8bitのファミコンサウンドを取り入れたイントロ的な楽曲。
今回のアルバムはCDという形であるなら、楽曲の羅列というわけでなくコンセプトに基づいたものを作りたいという意向があったらしく、アルバム名の通り、ゲームを後付けでコンセプトにしているそうです。
それゆえのファミコンサウンドがスキットでフィーチャーされています。

ちなみにこのファミコンサウンドはYMCKのプラグインを使用しているらしく、フリーでダウンロードできるので、我々庶民にも簡単に再現することができるのでオススメです。

M-2 笑うDJ
しょっぱなから爆速なサウンドで今までのバンアパ感をいきなり打ち砕く曲です。
木暮曲であり、「ジェットコースターでキラキラの中を爆走する」という脳内イメージに基づいて作られたらしいです。
確かにジェットコースター感はハンパないでね。
ドライブ中にこれをかけるとノリノリで運転できるので、なかなか気持ちいい。

今回のアルバムの曲に総じて言えることですが、ライブで盛り上がるものが多い気がします。
今までの曲は初期のものを除くと、一人で音の中に酔いしれる様なものが多いとおもうんですが、今回は下手すりゃモッシュとかダイブを誘発するような楽しい曲が多い気がします。

M-3 ピルグリム
PV曲であり今回のアルバムではとっつきやすい曲であります。
続 ・夜の向こうへを意識して合宿中に作られたものだそうです。
でもまた別のベクトルのポップさ溢れるものに仕上がったと感じています。

特に開口一番の川崎ギターの迸る安ポップ感!
ああいくダサい一歩手前みたいなベタフレーズはかなり好みですね。
荒井さんの意識する「再放送の夕方アニメED」感みたいのが遺憾なく発揮されていると思います。

とにかく今回の荒井曲は、ソロアルバムの影響もあってか、バンアパでの封じ手を解禁した気がするんですよね。
いままでだったら意図的に避けてきたストレートすぎるメロディとか展開をバンバンつかっている気がします。
バンドとしての尖りがとれたといいますが、いいものはなんでも取り入れていこうと言う、力の抜け具合が大きく楽曲に作用している気がします。

M-4 廃棄CITY
明らかに川崎のギターフレーズが元ネタでそっから広げていった感のある曲。
歌詞は方南町のスタジオバンキッシュを追い出された時のことを歌っているそうです。

特に間奏のジャジャジャッジャっていうキメ連発のアニソン感に笑ってしまいます。

M-5(save point A)
電車ノイズが混ざったこれまたファミコンサウンドのスキット。
木暮さんが自ら集音しに行ったそうです。
ここで一旦一区切り的な。

M-6 禁断の宮殿
読み方はオフィシャルで「きんだんのコート」だそうです。
COURTで宮殿と訳すあたり、「キングクリムゾンの宮殿」が題名の元ネタでしょう。
もちろんパンパじゃないゴルフ感漂うので原曲に間違いありません。

もうイントロのひねくれた入りから素晴らしいです。
歌詞もまさに腹節といった感じで、これがスタンダードなバンアパ感というか、バンアパの根源的な部分なんだなと自覚せずにはいられません。

最後のソーシャルロッカーの部分のベースの入れ方はたまりません。
もろフュージョン笑

M-7 殺し屋がいっぱい
stanleyやprime ministerのような気の抜けた曲。
題名とのギャップに笑いますが、歌詞はネットイナゴとか炎上を皮肉る感じのものですね。

歌詞の真意に気付けないと、サビの「君を殺さないとさ、眠れないから」とかもろ銀杏ボーイズっぽくて笑いました。
ミネタが歌ってても違和感ないというか笑

M-8 遊覧船
きました今回のアルバムのお気に入りナンバーワン。
クソ長い思わせぶりなイントロから急展開し、落ち着いたメロウなアコギサウンドに落ち着くところは笑いました。

メンバーの中でもこの曲が一番合作したらしく、イントロは川崎でそっから丸投げという方向性の見えない感じが見事の反映されています。

でもなんといっても、しっとりとしたメロディの良さとアルペジオの感じだよね。
もろツボというか、情景が見事に浮かび上がるのが見事。
個人的には東南アジアの夕方のビーチってのが浮かびました。
あと屋形船の店内BGM的要素もある 気がします。

M-9 月と暁
今回の問題作でしょう。
某匿名掲示板では「アルフィーっぽい」とか「ありきたり」とか「バンアパでやらなくてもいい」みたいな意見が多発していました。

でも逆に僕はバンアパでこういうストレートな曲が聴けたことが嬉しいんですよ。
ダサ邦ロック的なメロディが好きなんですねー。
サビ前の川崎ギターのメロディもいいし、細かい部分で見れば結構ツボる部分が多いんですよ。
特に、「淡く切ない〜」の前の部分からの川崎ギターのフレーズなんてツボすぎます。
パワプロ感がたまりません笑

まあこの曲を再生するときはどっかで恥ずかしさが同居してますがね。

M-10 (save point B)
ベーコンアンドエッグスのリメイク曲。
日本語アレンジを効かせ、歌い上げるのはご存知チャニー氏。
バンアパって改めて家族経営的なバンドですよね。

M-11 裸足のラストデイ
純度の高い原曲二発目。
今回のアルバムは共作らしいですが、原曲だけは相変わらず単独制作らしいです。
原さんのストイックさからすると他の人に自分の曲を委ねられないんでしょうね。
でもそのかわりに妥協を許さない細かなところまで気づかされるものが出来上がると感じています。

キチガイ連呼はもはや様式美。
行き違いなど韻を踏むテクまで披露しています。
ライムスター宇多丸のダブルミーニング連発ソング「キキチガイ」では巧妙にワードを隠しているのに発禁になったのに、ど直球で「キチガイ」連呼、しかもラジオで流そうとしたのは笑ってしまいます。

でもキチガイってワードは別に笑わせたいんじゃなくて、原さん的に素敵な生き方をしてる人の総称なんだと思います。
まあ「自分の芯を持って生きてて、世間に理解を求めていない生き方をする奴」みたいなニュアンスでしょう。

あとラストデイ連呼はレコーディング最終日だったからというのもあるらしいです。

M-12 消える前に
まさかバンアパでエモが聞けるとは思っていませんでした。
サビのまごう事なきエモさは僕のルーツがエモ方面にあることからも大好物です。
あとBメロのユーミン感すごくないですか?
サビ前のやけくそタッピング昇竜アンドツーバスも笑えます。

たまにはこういうのもあってもいいじゃないって感じですかね。
楽曲の幅は広がったし、いろんなジャンルつまみ食いって感じで、ある種の楽曲大喜利チックな楽しみ方をすればいいんですよ。
勝手に終わったとか裏切られたとか嘆いてるやつは思い出の中だけで生きてればいんですよ。

M-13 最終列車
今アルバムのマスターピースですね。
バンアパ屈指の美メロが漂うこの楽曲。
荒井曲プラス大サビは小暮さんでもともとヴァンヘイレンを目指したとかいう意味不明な成り行きもあったそうです。

とにかくメロディがいい!
もうど直球ど真ん中展開が炸裂しており、ずるいなーっての連続です。
大サビなんて号泣必須ですよ。

個人的にはメロコアを聞いてたときのときめきが蘇ってきましたね。
メロディが良すぎて、何回もループして再生するあの感じ。
もうなんというか、この曲大好き笑

ちなみにアウトロは荒井さん屈指の悪ノリらしいです。

M-14 (ending)
最終列車のアウトロからそのままファミコンへフェードイン。
こうやってシンプルな音源で聴いても、元のメロディの良さが引き立ちますね。
バックにほのかにメンバーの会話を流しているらしいですが、内容が内容だったため、聞き取れないレベルに加工が施してあるとかなんとか。


ざっと総括すると、今回のアルバムは本当にバラエティ豊かで総合商社感があるというか、オープンワールドっていうコンセプトでまとめないと、本当バラバラなんですよね。
でも、こまかなところをちゃんと聞けば、バンアパらしいところがたくさんあるし、「おっ」って思う展開とかフレーズもビンビンにあるのです。

だから根底の部分ではなにも変わってないっちゃ変わってないんですよ。
そりゃ同じ人間がつくってるからそうなんですけど、やっぱり、バンアパのアルバムってのは聞き込むほど味が出てくるもんだなと思いますね。

他のアルバムに比べると各曲の平均点は高くないと思いますが、遊覧船と最終列車というマスターピースを生み出してくれたので、ある点では突出したアルバムだといえるでしょう!

2014/05/23

the band apart BONGO e.p.

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00JDSYB5U/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00JDSYB5U&linkCode=as2&tag=tapo1127-22

バンアパシングル出ました。
一つ前のシングル、tokumaru e.p.から八ヶ月という今までだとあり得ないペースでの発表。
作詞作曲分業体制やその前のシングルからの日本語化が色々バンド内に変化をもたらしてるんでしょうか。
ちょっと調べるとアジゴシも体制が変わったみたいで自分たちの意志でゴーサインが出せるみたいなことも言ってます。

今回のシングルはプロモーションに力を入れていたので、いろいろと制作秘話みたいのが聴けて満足ですね。
特にバンアパの場合、誰が作った曲とか、元ネタとかを掘り下げるのが楽しいので、こういうメンバーの考えが発信される場が多く設けられるのはリスナーとして嬉しい限りです。

また、BONGO e.p.というシングルタイトルは全ての楽曲に打楽器のコンガが使用されている事に由来しており、最初はコンガイーピーだったけどボンゴの方がださいから、という理由で採用されたというバンアパらしさ笑
ゴルフ感であったり、ダサさを絶妙なセンスでシャレオツに昇華してるのが上手いですよね。(確かにダサイという先入観を持つと、ダサく感じることもある笑)

それで、今回も先述した通り日本詩、分業体制らしいんですが、今回は完全分業に飽きたらしく、少しづつ皆のアイディアを反映させて行こうという流れになったらしいです。
元ネタを持っていって後は皆で作るみたいな感じ。
次からは合宿とかして、皆で作りたいとの事。

確かレコグナイズイーピーは合宿して作ったんでしたっけ?
寝る前の人生ゲームが合宿中唯一の楽しみだったってのをどっかの記事で見た気がします。

それでは全曲の感想を。

M-1 誰も知らないカーニバル
PVにもなっており、一応リードトラックに値するんでしょうか。
今回の四曲で言えば一番「現在のバンアパ」を表している曲だと思います。
担当は原さんで、随所にこだわりの見えるいい感じのナンバーです。
聞き込む程味が出てきそうな曲ですね。

メインのリフがいいよね。
バンアパって歌の無い状態を完璧に仕上げることが多いらしいです。
だからインストでも聴けちゃうクオリティに持って行けるんだよね。 
あとサビのかすかに聞こえる高音コーラスがいい味だしてます。

特に日本語になってから歌詞の意味がダイレクトになっていて、原さんのセンスを直で感じられて好きですね。
「漢気で飯は食えない」ってのが凄いグッと来た。
それまでも原曲(はらきょく)だと自信の父親に対して歌詞を描いてると言ってたんですが、今回もそれに近いような感じなんでしょうかね。

あと原さんの楽曲制作に対する価値観として、「自分が金を出してこの曲を買うか」というものがあってそれが凄い好き。

pvはスーツでびしっと決めており、曰く「結婚式の二次会をイメージした」との事。
あと最初のテロップが「the band aprt」っていうミスり加減笑
ちなみにpv監督は同時発売の映像作品「510×283」を担当している方で、川崎の後輩で某ジェイ○ムの契約社員らしいです笑

さらにこれはマジでどうでもいいと思うんですが、今回のDVDに自分が若干映ってました。
BIGCATのライブで川崎が珍しくMCをするっていうVTRがあるんだけど、その登場前に、スマホ掲げて写真撮ってる不届き者が僕ね笑

演奏中じゃないから大丈夫だろうとビビり散らしながら記念に激写。

正直、ライブハウスの撮影がアウトとかグレーとかはっきり分かってなかった自分としては、川崎が出て来て「録音とか撮影が…」って言われた時は一瞬ビビり狂ったね笑
その前ぐらいに荒井さんのソロの違法録音とか出回ってたし、そういうのを把握したバンド側が直々に注意したのかと勝手に恐れ戦きましたよ。 
「自分の知らないところで同じように撮影とかしまくってる奴がいるんだ、やっべ!」みたいな笑
回りの人の目線を勝手に感じ、独り吊るし上げられているような嫌な汗をかいたのを覚えてます。

まあ結局は機材の不調で申し訳なくて謝罪したっていう、自分の心配とは全く関係ないオチなんですが、映像として記憶されていると、見るまで忘れてたこんな罪悪感に溢れた被害妄想的な思い出が鮮明に呼び起こされるって訳ですよ笑
いい思い出ですね。 
しかしあの日のライブでそんな機材トラブルがあったなんて全く気付かなかったなー。

M-2 The Base
疾走感溢れるロックナンバーとでも形容しましょうか。
川崎曲であり、リードギター川崎節全開のストレートな曲でありますね。
元々、今回のシングルはbpm120程度で四曲つなげようと言うコンセプトがあったらしいですが、この曲だけbpm180という爆速加減で破綻したらしいです。

あまりバンアパっぽくないラインの曲だと感じますね。
すげー早いし笑
まあ、本人達も「自分たちが作れば何でもバンアパらしさは出るから、らしさを無理にこだわっているところはない」とか「楽曲制作は卒アルとか記念撮影みたいなもので、その時の自分たちの記録」と言ってます。
この考え方凄い好き。

でもc.a.hとかbindとかblackといい、川崎マインドみたいのが一貫して感じられるのはいいよね。
サビで一気に転調して少しハッとするような展開が好きです。
歌詞もご近所トラブルを表現しているらしく、川崎家の隣のババアが頭おかしく、色々こまっているのをあらわしてるそうです。
あとコレもPVになってるんだけど、凄い90年代のバンド集がする映像だと思う。
カラオケでPV付きの曲で後ろに流れてそうな映像イメージが浮かびます。

M-3 来世BOX
コレは小暮さん担当のノスタルジー溢れる曲。
歌詞と曲調のマッチングが素晴らしい。
昔仲良かったけど最近会わなくなってしまった人々や自身の祖母との思い出を歌ったエモい感じの曲です。
本人曰く、「藤子不二雄感がある」とのこと。

全体のコード感とか間奏のギターの謎エフェクトが堪りません。 
間奏のピョコピョコ鳴ってる部分のエセ南国リゾート感たるや!

個人的には子供の頃見ていたアニメのエンディングとか、暑い夏の日の夕方に散歩ってイメージが浮かんできました。
今回のシングルで初聴では一番心掴まれてますね。
寂し懐かしい気分になって泣きそうになるんですよ。
夏休み感が凄いある。

あと歌詞の(ソース入れた)ってのがツボ。
歌詞カードに丁寧に括弧までつけられてポツンと(ソース入れた)という字面が面白過ぎる。
こういう遊び心(?)が堪りません。

M-4 環状の赤
最後は荒井さん担当の曲。
イントロの荒くれ者フレーズから一転してAメロはアメリカっぽいパート、Bメロはゴルフ感、そして泣けるサビへとつながるんですが、不思議とまとまりがある!
ライさんは日本詩になってからメロディーメーカーとしての才能を遺憾なく発揮して来ている印象がありますね。

サビのメロディが堪りません。
誰が聴いても気持ち良さを感じるセンス溢れるメロディで、おばあさんに聴かしても好評価を得られそうな普遍性があるよね笑

それとBメロの川崎のギターフレーズのゴルフ感が凄まじい。
ゴルフ場と爽快な青空を浮かべずには居られません。(海辺が近そうなところね笑)

歌詞に関して言えば、元々別の歌詞があり、北斗の拳っぽい熱さがあったらしいので急遽書き換えがされたようです。
それと、ライさんの歌詞って「テールライト」とか「ネオン」とか街感があるよなーなんて思ったり。

今回のシングルも個人的には満足で、何十年後にも聴けそうなセンスが堪りません。

僕の中ではバンアパって今、三期目ぐらいの感覚なんですよ。
1stから4thアルバムまでが同じ方向性の第一期なんですね。
クリーントーンを多用するオシャレなバンドって印象で、メロコアから始まり、ジャズ、フュージョン、ファンクを中心に取り入れたセンスのバンドというイメージ。

それで5thアルバムから一皮むけたなーって印象でそこからが第二期。
分業体制もココから始まり、いろいろと環境も変化したんでしょうね。
個人的には楽曲に色がついて来たというか、似たり寄ったり感がなくなって(別に第一期が似たり寄ったりって訳ではなくて、よりクリアに色がついて来たイメージ)、遊びの部分が増えたかなという印象なんです。
それから日本語シングル、6thアルバム、徳丸epまでが第二期。

それでこのシングルから第三期に移行しつつあるなーという印象。
だから2.5期ぐらいのイメージです。
大人っぽさというか、若さ故の尖り加減みたいのがなくなって、肩の力抜いて作ってる感覚ですね。(それでもレコーディングは毎回地獄という笑)

こうやって長い間、新たな発想に基づく楽曲を作ってくれてるのは素晴らしい事です。
基本的にバンドって長く続くと、どっかでガッカリアルバムとかいわゆる「枯れた」感みたいのを感じる事があり、少し切なくなっちゃうんですが、バンアパに限っては無い!
あと同時発売のDVDで荒井さんも「聴いてる人の青春に食い込めるような音楽をやっていきたい」と述べてましたが、確実に僕の青春に食い込んでます!!

2013/10/10

the band apart TOKUMARU e.p.


バンアパのシングル出ました。
会場限定との事でしたが公式の通販にも対応してくれたのが嬉しい。
全三曲で相変わらず日本詩、そして仇になってものPV付きという太っ腹加減。
PVの方はライブの映像+音源に川崎出演のミニドラマみたいのが入ってます。

このPVがまあ面白い。
とあるカップルのお話で、浮気を疑う彼女が彼氏を尾行していたら、川崎とホモカップルだったというカオスなもの。
そして彼女は川崎を刺しに包丁片手にライブハウスに向い、曲が終わると同時に舞台袖まで来てエンド笑
どういう発想なんだろうか。
是非見ていただきたい。

M-1 クレメンタイン
どこか切ない雰囲気のある懐かしい感じの曲です。
リフレインされる荒井ギターフレーズがクセになって中毒性が高い。
そしていい感じにサビまで突入したかと思うと途中で転調!
しかし転調後もいい感じにエモいメロディをつなげてきます。
変なコード進行をここまで仕上げるのは凄いですね。

このひねくれ加減は恐らく原曲でしょうね。
歌詞の「魔女リティ」がそんな感じ。
一筋縄ではいかないPOP感が最高です。
爽やかなメロの途中でいきなり転調で言ったらeufoniusに似てる感じですね。

M-2 秋風
冒頭の哀愁溢れるアコギから分かるようにもの悲しい曲。
荒井さんのソロ曲っぽい正統派な曲にバンアパの融合って感じですかね。
タイトル通り秋っぽい哀愁全開の歌モノな曲です。
緊張感のあるアルペジオがあまりバンアパっぽくないのが印象的。

M-3 プリテンダー
切なPOP感が堪りません。
上手く形容できないけどこういう曲って好き。
いいアニメのエンディングみたいな笑
何故かスタッフロールが似合う感じがしません?

サビの歌メロと川崎のギターの痒いところに手が届く感じが泣けます。
アウトロの一瞬タメるところもツボです。

今までのバンアパとは少し違ったラインの曲達って感じですかね。
やっぱり日本語になってから歌ものになってきた感じは否めません。
でもそれが逆にいい感じの90年代JPOP感を醸し出してきてツボです。

今の季節だからかもしれないけど「秋」って感じにぴったりな曲ばかり。
久しぶりに長袖着たときのぬくもり切なさのあの感じ。
夕方になったときの急激な寒さみたいな。

2013/10/01

heaven in her arms × COHOL 刻光


日本の激情シーンを代表する二組によるスプリット。
リリースはアガるスプリット企画でおなじみ、デイメアレコーディングス。

先攻はヘブンから。

M-1 黒い閃光
しょっぱなはアンビエントな雰囲気漂うインスト曲。
絡み合う三本のギターの音色が奇麗。
キーボードっぽい音も入っていて壮大というか、真っ暗な部屋で一人で聴くと没入感が最高です。
途中から爆発する展開もあり、轟音のように流れ落ちるギターの旋律が美しい。
インストなんだけど、ボーカルありでもいける感じの曲だと思う。

M-2 繭
コチラもインスト曲でM-3への導入的な感じ。
鍵盤の音色がいい。
爆発前の静けさや張りつめた雰囲気がビンビンに醸し出されています。

M-3 終焉の眩しさ
前の曲から間髪居れずにいきなりフルスロットル!
久しぶりに脳汁出た。
バスドラのドコドコ感が堪らない。
というかドラムが凄過ぎて…
あと爆走するトレモロリフの暗黒感が最高です。
音に浸るってこういう事だと実感できる。

動パートと静パートの間延びしてない感じがいいですね、だれる事無くテンションの高いまま最後まで突っ走ってくれる。
特に中盤のアガるパート(三分半ぐらいから)はせこい。
あんな展開やられたら誰だって脳汁でちゃうよ。

ギターのメロディもいかにもな哀愁メロディが最高。
ベースもゴリゴリに動き回ってますね。
最高傑作と言っても過言ではない。
というか自分の求めているものにドンピシャ過ぎて気持ちがいい。

後攻はcohol。

M-4 不毛の地
ブラストやバスドラ全開でメタル要素ゴリゴリな曲。
coholはあんまり聴いた事が無かったのでちゃんと聴くのは初めて。
メタルはそこまで好きじゃないんだけどこのバンドは聴けちゃいますね。
日本のバンド特有の潜在的な和の要素といかアツさみたいのが感じ取れます。
あとバスドラ疲れないのかが心配笑

M-5 木霊
箸休め的なインスト曲。
こういう曲ってどうやって発想を形にするんだろうか。
壮大感みたのが堪りません。

M-6 疎外
ド頭からギターが最高。
マジでギターもドラムも途中で疲れないんだろうかと心配になってくる爆走加減笑
純粋にいい曲です。
あと当たり前だけどウマ過ぎ。

両者とも素晴らしい楽曲でした。
正直このスプリットは六千円ぐらいで出していい気がする。
そのぐらいの価値はありますよ。
特にヘブンは更に進化してます。
終焉の眩しさ一曲だけでこのcdを買う価値はあるといっても過言ではない。
早くライブで見たい。

2013/08/10

マキシマムザホルモン 予襲復讐



久しぶりにホルモン買っちゃっいました。
CD+漫画付きの百ページ越え解説本という太っ腹ぶりに購買意欲が止まらなかったです。
亮君の曲解説とかコラムが好きなので最高。

それでは全曲の感想を。


M-1予襲復讐
PVにもなったリードトラック。
ナヲの甘い声とアルペジオからゴリゴリサウンド&デス声への変貌でいつものホルモンって感じの幕開け。
新要素としては亮君の「語り」パートが出現しました。
秤の針の重さの話はいつかのロキノンのインタビューで話してましたね。
中学生の頃に自分は一周回って逆に面白いと思ってる事を友達は純粋に楽しんでいて、
「ちげーよ!そんなんじゃねえよ!」的な話だったと思います。
全然違ったらスマソ。

ポエトリーリーディングがあるバンド好きなんだよね。
内容云々より「語る」って表現方法が感情の伝え方として激アツなんすよ。
最後の「馬鹿みたいな14才〜」の件はエモ過ぎて最高。
てかメロディーがいいよね、純粋に。

 
M-2 月の爆撃機
ワンフレーズだけのブルハのカバー。


M-3 鬱くしき人々のうた
これもサビの爽やかなつけぬけ感がたまらんです。
でも歌詞は結構ダークな亮君の内面性の独白って感じ。
正直、僕も落ちる時はありますけどタイプが違う。
亮君の周り、病んだ人多過ぎ。

 
M-4 便所サンダルダンス。
キラーチューン!
ライブノリノリ間違い無しですよ。ギターリフがいいよー。
あとサビでナヲのメロと言うか発音がムズそうで特徴的なのがクセになる。
あれは一般人には出てこないフレーズですよ。喉乾くもん笑


M-5 中2ザビーム
コチラも素晴らしい。
初っ端のPTHっぽいフレーズからテンションそのままで突っ切る!
でも「中学ワチュゴナ〜」からギアチェンジで爽やかメロディへ。
「中学 for me〜」の部分のありがちなコード進行だけど
良過ぎてそれやったらずるい的な進行が堪んない。

 
M-6 「F」
ドラゴンボールやオウムなどホルモンらしいテイスト満載なこの曲。
ポアの掛け合いは言うまでもなく気持ちがいい。
あとドラゴンボールOPを絶妙にアレンジしたパートの絶妙加減が天才。
あそこが一番好きです笑


M-7 爪爪爪
冒頭の不協和音で畳み掛けるところでグッときますね。
カオティック成分があると大体僕は好きです。
あと曲解説の「悪のサンバ」ってのが笑った。

サビはベタベタなコード進行とメロディ。
ベタでもいいモノはいいんだよ!って感じで突き抜けてるからカッコイイ。

そしてライブアレンジverになってるのがちょっとおおッてなりますね。
演奏一瞬止まって、亮君オンリーになるところがグッとくる。

 
M-8 ロックお礼参り〜3コードでお前をフルボッコ〜
その名の通りスリーコードで突っ走る。
初期のホルモンを彷彿とさせる曲です。
解説曰く、オイパンクの精神が詰まっているとのこと。

疾走感、好きです。
3コードでフルボッコって実際歌っちゃうっていうね笑


M-9 アンビリバボー〜スヲミンツ ホケレイロ ミフエホ〜
小波わいわいワールドの最強パスらしいです。
メモカ標準装備のPS世代なのでイメージだけ共感笑

解説でも言ってたようにジャミロクワイっぽいなーって思ってたら、
グッチ裕三を意識したとの事笑
あと亮君の裏声、ナヲに似てるなー。

「イェヤ、イェヤ」の言い方がうざくて爆笑。
あの言い方したくなるわ!
あとアンビリバボーをビリバで区切るセンスはさすがですね。

この曲ってドライブしてて皆無言になった帰り道の夕方に掛かってそうな雰囲気があります。
あのけだるい感じがこのオサレ感から漂ってきますね。

 
M-10 え・い・り・あ・ん
このアルバムで一番好きな曲。
テレロテレロからのカオティックハーコーぽい感じが完全にツボなんですよ。
「チョッパー行け、太!」からのチョッパーもカッチョイイー。
いわゆる脳汁出るって奴。
てかベースフレーズを上ちゃんじゃなくて亮君が作ってるってのが意外だった。

後半のパートのエモさもいい。
拳突き上げちゃう感じだけど「ストップウィニー!」て笑
あと最後の半音づつ下がるあの泣ける進行もベタだけどやっぱ好きです。

 
M-11 my girl
爽やかに女性器を叫び上げる爽快感。
ちなみにヴァギ○よりワギ○派です。
最後のヴァンヘイレン感分かります。
あのださいシンセの感じが絶妙。 


M-12 メス豚のケツにビンタ(キックも)
「ツッタカツッタカ」ってドラムなってるところが好き。
サビはエキセントリック少年ボーイを意識したらしい。
あの「キックも」の気持ちよさ、分かります。

臭いフレーズのギターソロも堪らない。
あと当たり前だけど疾走感いいねー。


M-13 ビューティー殺シアム
ふつう。笑
何故かコレだけピンと来てない笑

 
M-14 maximum the hormone
お経的フレーズ好きです。
そのあとの爆発するところも堪らない。
ナヲの「ハングリーハイテンション」の俗っぽさがホルモンだなーって思っちゃうよね。

最後の歴代の曲名を畳み掛けるところがまた堪らない。
この曲アルバム上位に入ります。


M-15 恋のスペルマ
ヴォコーダー&ハンドクラップ!
ギターの絶妙な音もグッときます。
メロディもいい!

なんかCSのフェス流してる番組のスタッフロールが流れてるエンディングで、
楽しそうなお客さんとか演奏の様子がスローモーションで映ってる映像があって、
その後ろでかかってそうな切な爽やかさがアリマス。
「今回の○○フェス、いかがでしたか?」みたいなナレーションが似合う。
この曲とHW6のフラワーはその要素持ってると個人的に思ってます笑

いわゆる最後感が堪らないんだよな。
でも「スペルマ」って笑
何も知らない女の子にメロディがいいからってスペルマ言わせたいだけですよね、絶対。


こんな感じですかね。
今回のアルバムもボリューム満点で良かったです。
新たなホルモンが見えるものや、昔っぽい奴までヴァラエティに富んでた気がします。

解説本もそこらへんの雑誌インタビューよりちゃんとしてるし、漫画もかなり面白いです。
プロローグ漫画に亮君のホルモンに対する苦悩みたいのが描かれてて興味深い。
あと、女子便の前で監視ってレベル高過ぎる笑
最後の缶詰の話は「世にも奇妙な物語」でもかなりレベル高い方でしょう。

ライブ行きたくなってきた。

2013/07/27

envy Invariable Will, Recurring Ebbs And Flows



さすがにアナログレコード全集は買えなかったのでDVD+ブックレットの方を購入。
数量限定らしいけど普通にアマゾンにあったのが謎。
ちなみにDVDだけのやつは2000円ぐらいでレコード版は38000円ぐらい。
金さえあれば……!

DVDにはライブ映像が収録されており、全12曲+おまけで奥貫薫が出てるPV。
曲ごとに会場も違っており、ひと会場あたり2曲づつぐらいのバランスで入ってます。
新旧織り交ぜたナイスな選曲で初っ端からテンション爆アガリです。
あと音質は会場によってまちまちですが、普通に聴けるレベルだと思います。

やっぱライブ音源はいいね!
ENVYの真骨頂って感じです。
一回、borisとmonoとで京大でやった奴に行った事あるけどあの感じを思い出すなー。
またライブに行きたくなる事間違い無し。

特に最後のさよなら言葉のライブアレンジがマジでアツい。
CDで一瞬終わってから最後っ屁爆発があるじゃないですか、
それがめちゃくちゃ長くて最高なんだなコレが。
ドラムの人がシンバルだけ客席に持っていって叩かせてたのは結構笑った。

ちなみにDVDのパッケージは海賊版無修正AVぐらい薄いです笑
そして中には貴重なメンバーの顔を捉えた写真が!
普段のアー写は匿名性が高いけど、コレは珍しくはっきり写ってます。

そしてブックレットの方は全100ページとかなりのボリューム。
ディスコグラフィーはblind justice時代のデモテープから現在までの音源をすべて網羅。
以外に知らない音源が多かった。

そしてその次にはフライヤーが沢山乗ってます。
ブッチャーズ、イースタン、モガ、ナート、ゼアイズ、ユアソン、エンヴィが一堂に会する個人的に激アツなライブがあったのが印象的だった。
中には手書きのDIY感満載のものや、ボーカルが微笑みながら掃除機をかける謎フライヤーまで笑

残りはライブの写真で若かりし頃から現在の姿までくまなくピックアップ。
昔の写真の70ページ見開きのリアル蘇民祭感が凄まじい笑
その他の写真もいい感じのライブ感を切り取ってます。

なんだかんだでenvy最高。
ライブに行きたくなって来た。

2013/07/22

heaven in her arms × Yumi split




日本が世界に誇る激情系ハードコアバンドheaven in her armsと
シンガポールのyumiのスプリット。
お互い一曲づつの7インチ盤。
ダウンロードコード付きで蓄音機無くても安心設計。
お値段も八百円とかなり良心的でgoodだった覚えがある。

最近ロシアツアーの動画見てヘブン熱が再来して来たので今更ですがレビュー。

まずyumiのenpty circlesについてですが、まあ普通に激情って感じ。
アルペジオが奇麗、泣きのギターがエモい。
中盤のちょっと加速する展開のところのオクターブ奏法がやっぱ好き。
トゥルルルルーってのがいいよね。
最後はアルペジオでシャレオツに締める。

そしてheaven in her arms
前作の幻月でダークでダウナーな雰囲気を更に押し出し、
コレでもかという鬱サウンドにたどり着いた彼ら。
そのまま暗黒へ突き進むかと思いきや、
一個前のaussitot mort(オ-シトットモ-ト?オ-シタットモルト?) とのスプリットでは一転して、
メタリックでカオティック成分高めな勢いある攻めのサウンドに変化した。
まだまだ可能性を感じさせる引き出しの多さにワクワク。
そして今回はまた新たな方面へ開花。

白夜の再結晶

雰囲気あるアンビエントな感じから始まり、壮大な幕開け。
ギターの音の奇麗さが最高。
更に空間を意識したサウンドへ。
いろんなエフェクトを多用し、すさましい巨大感を構築してます。

繰り返されるフレーズがだんだんと盛り上がりを見せる。
鉄琴ぽい。 
今回は暗黒ではなく、壮大、鮮麗というワードが似合う曲。
同時にドラムの盛り上げ上手感が最高。
そして語りかけるようなポエトリーリーディング。
歌詞がアレでも突き抜けたら聴けちゃうよね。

後ろの方でウジョウジョ鳴ってるキレた猫の声みたいなボンバー待ち演出が堪らない。
そして爆発と共にいつもの絶叫!
たまらん!報われる!
段階的に盛り上げるあの感じはライブで見たら鳥肌モンだろう。
完全にネクストレベルいっちゃってますねー。

もう完全に独自のサウンドを構築してますよ。
ジャンル「ヘブン」として成り立ってますね。
スプリットで勝ち負けとかあんまどうでもいいんですが、今回は完全にヘブンの勝ちです。

いやー、こうなってくると今とってるらしいアルバムが楽しみですねー。
ツイッターによると年内には出せるらしい。
めちゃくちゃ期待。

2013/04/16

the band apart 街の14景



バンアパ六枚目のアルバム。
今回は全曲日本語+インスト一曲。

一個前のシングルから日本語にシフトしていったけど違和感無し。
逆にこっちの方が好きなんじゃないかと思う。

それにしても六枚目のアルバムなのに毎回前作を上回ってくるのは凄い。
今回は斜め上を行かれた感じで新境地を垣間見た気がする。
それでは全曲の感想を。

M-1 いつかの 
導入っぽいシンプルな構成。
段階的に盛り上げていき、最後に最初のアルペジオに戻ってくるのがシャレオツ

M-2 ノード
一発でグッとくる。 
ライブで一曲目からの流れでやられたら最高に盛り上がりそう
サビ前のせりあがる展開とかサビのせわしない感じがツボ。
静かなる必死感がヤバい

M-3 仇になっても
step upを低速再生したぽい感あるけど全然別物。
サビ前のベースの甘い感じが好き。エモい。
曲全体に漂うのっそりとした感じもいい。
  
M-4 夜の向こう
今のところ一番グッと来てる。
バンアパっぽさもありながら何故か懐かしい様なメロディ。
こういう曲を待っていた気がした。 
パワプロのメニュー画面のBGMみたいな爽やかな展開がマジでツボ!(245
家〜家〜家出〜♪」とか冷静に考えると面白い。

M-5 12月の
スルメ曲。
日本詩なのでついつい口ずさみそうになる。
ボタン雪が降ってるのをこたつに入って眺める休みの午前中みないな感じ笑 

M-6 AKIRAM
いわゆるゴルフ感。
あとなんかに似てる。
Bメロのギターのメロと歌のメロの絡みが絶妙にださくていい。
一旦終わったと見せかけてからのフェードアウトしていくフレーズ何か笑える。 
バンアパって最後の最後に突如ムリクリな展開でフェードアウト好きだよな笑


M-7 明日を知らな
弾き語りのような落ち着いた曲。
イントロのギターソロが一瞬カントリーっぽい。田舎の牧場
荒井さんのソロが元ネタだと思われ。
  
M-8 師走
空前絶後のインスト曲 !
プログレっぷりが最高。
前のヒーリングミュージックのような曲からの流れ狙い過ぎ笑
マヌケなフレーズのゆったりな展開からの突如加速はライブ映えしそう。 
絶対ベースの人が作ったんだろうなーって感じがします。
中盤の三国無双みたいなところが堪らない!
後半の展開なんてマジでそっち系のバンド。
個人的にはこういう曲好きなので毎回一曲こういうの入れてほしいです。
エレクトロキューション250を何となく連想。

M-9 泳ぐ針 
浮遊感のある曲。
歌詞が素敵。なんかエロい。

M-10 black
C.A.Hやbindを思わせる汗臭い男っぽい曲。
kwsk全開でかっこいい
でもサビは爽やか。

M-11 ARENNYAで待ってる
泣きそうになるほっこりとしたギターの感じが最高
いままでのバンアパっぽい曲。
サビが好き。爽やかなメロディーに「クソが〜♪」は爆笑。
こちらの曲も懐かしい感じがします。

M-12 アウトサイダー
1000 light yearsとかrays of gravityみたいな疾走感のあるナンバー
多分kwsk曲でしょうな。

M-13
エモい。最後にふさわしい
誰もいない住宅地の昼下がりみたいな感じ。
全然知らない街を散歩する的な。
サビがいい。
コレも凄いキテマス。

M-14 outro
アコギ曲。
このアルバムの曲を断片的につなげて再構築した感じ。
そのままフェードアウトしていく感終わった後の余韻タイムたるや。 
 
総括として日本語のせいか今回は全体的にエモさが上がっている。
懐メロ感がある曲も沢山。なんかに似ている気がするけど言い表せないのが、まさにエモ。

それと前にあった曲のフレーズっぽいのが沢山あって思わずにニヤリとします。
でも完全に別ものとして仕上がってるのがセンスをビンビンに感じる。

あとドラムがめちゃくちゃ進化してる!
アルバム出すごとに引き出しが増えてて感動。 
ベースも毎回ツボをいてくる
各パート単独で聴けるバンドはなかなかいない!

ヘビロテ必須のスルメ曲ばかり。
早くライブで見たいなぁ。
特にインスト曲なんか笑っちゃいそうで困る。




2013/03/06

WRONG SCALE bed and board



ロンスケの四枚目のアルバムにして、最後のアルバム。
ロンスケは主に前期と後期の二種類に分けることができる。
まずスリーピース時代の前期。
音的にはメロコアといったところだが少しエモさもあり、
それが後期につながる伏線かのようにも感じられる。
この時代にはアルバムを二枚出している。

そして後期はギターが一人加入して新体制となった後期。
新体制なってから出した3rdアルバムは当時リアルタイムで追っかけてた人にとっては少し衝撃的なものになったと思う。
メロコア成分は薄れていき、クリーントーンを多用するようになり、
一言で形容するならば安っぽいが「オシャレサウンド」になったのだ笑
どうらや新加入のギターがこの方向性を進めたらしく、彼らの可能性を大いに広げるものなった。

そしてミニアルバム一枚を挟み、この4thアルバム「bed and board」に辿りついた。
前作よりも更にクリーントーンを多用するようになり、ギターの絡みも複雑になった。
このアルバムでは捨曲なしなのが素晴らしくいつ聴いても飽きないし、聴くたびに新たな発見があるのが素晴らしい。
このバンドはフロント三人全員がボーカルなんだけどそのコーラスワークが堪らない。

メロディラインやコードが個人的にツボ過ぎるのだが、
世間的には評価が低いというか楽曲の素晴らしさの割には知名度が低過ぎるのが謎。
もっと評価されてもいいバンドの一つである。

今のとこ生涯一のアルバムです。

おすすめは全部と言いたいけど挙げるならば最後の曲であるerasig your memory
彼らの到達点の一つ。




2013/03/04

envy 君の靴と未来


エンヴィーと言ったら個人的にこのアルバム。

今でも好きなんですがこの次のアルバムから空間系というか壮大さを全面に押し出すようになり、気軽な気持ちで聞けなくなってしまった。
というか展開が爆発するまで長い(世間では彼らの到達点として名盤とされるInsomniac dozeなんてホントにテンションが下がって轟音にまみれたい時しか聴けない

そんな現在の彼らとは違いしょっぱなからど真ん中直球でゴリゴリ攻めてくるから気持ちいい 
あと、ギターの音作りも絶妙でハードコアバンドの音源にありがちなライブ感をそのままお届けしてますみたいな安っぽさはなく、ライブ感は残しつつも、しっかりとした深みの感じられるサウンドになっている。 

何といっても最後の曲である「君の靴と未来」が名曲。
前述したように組曲的な最初静かに始まりだんだんと盛り上がりを見せ、最後に爆発するといった曲は個人的に苦手としてるんだけどこの曲に関しては全然気にならないほど聴けてしまう。

受験生の時の帰り道の駅から自宅までのテーマソングでもあり思い入れの深い一曲である。