近所のブックオフ的な古本屋に行った。
特に目的もなかったが、友達を引き連れて立ち読みしに。
各自しばらく自由に本を物色。
たしかマキバオーを読んでいた覚えがある。
(マキバオーの巻数が後にいく程、古本屋で発見できない率は異常笑)
しばらくすると友達が焦ったように声をかけて来た。
「顔が爆発した人がいる」
最初は「爆発」が不細工な人の比喩だと思っていた。
そんなくだらない事で声をかけてくるなよと思ったがどうやら様子がおかしい。
友達はかなり動揺しており、狼狽していた覚えがある。
どうやら、ホントに顔が爆発した人が居るらしい。
僕はその爆発の意味が良くわかってなかったので、
怖いものみたさにその人を探しにいく事にした。
立ち読みしていた本を置き、しばらく店内をしらみつぶしに探した。
しかし、なかなか爆発人には会う事ができなかった。
ひとえに爆発と言っても、そこらへん歩いていたら気づかないんじゃ無いかと思ったので、
友人に具体的な特徴を聴きに帰った。
曰く、「パッと見たらすぐ分かる。アレは普通じゃない」とのこと 。
正直、自分の中でかなりの期待が膨らんだ。
中学生は一番好奇心旺盛な時だ。
話を聞くにグロ系だと確信していたため、
そういうシーンに遭遇した事無かった僕はかなりワクワクしていた覚えがある。
期待に胸を膨らませながら店内を再び捜索。
キョロキョロしながら角を曲がったそのときであった。
顔が爆発した人が居た。
比喩表現でもなく、本当に爆発していた。
常人の顔の大きさから逸脱した顔のでかさ。
やけどのような汚く膨らんだ肉片。
その人に目がある事は確かだけど、鼻と口は認識できなかった。
格好は普通のおじさんの格好であるが、顔だけ明らかにおかしい。
例えるなら、顔の下半分が蛸のようになっているのだ。
北斗の拳の秘孔をつかれて爆発する直前のような感じ。
人間として認識できないレベルの奇形だった。
エレファントマンを想像してほしい。
奇形故にサーカスに入り、見せ物として生涯を過ごした男である。映画にもなった。
完全にアレのたぐいなのだ。
それを見たとき、体の震えが止まらなかった。
本能的に目をそらすあの感覚は今でも忘れられない。
そのあと恐怖で膝が笑い、涙が止まらなくなった。
完全にショック状態になってしまったのだ。
それがおさまった後、友人に声をかけ店を後にする。
その人に関する感想は一切無かった。
しばし無言のまま、その日は解散した。
差別とかじゃないけど、奇形ってああいう事だと実感できた青き日の思い出。
こんな感じだった |