2013/08/12

トルコに行って死にかけた話

今年の春に10日間トルコ全土を巡ってきた。
このブログでも旅日記なんてものをやろうかと思ったが、
めんど過ぎて未だに手を付けていない笑

でもなかなかハードな旅だったので、その辛い部分だけを思い出まじりに記しておきます。

まず初日。
空港から地下鉄で移動している時の話。
トルコはバス大国なので基本移動はバス。
イスタンブールにオトガルというバス会社ばっかのところがある。
そこを目指して地下鉄で移動してた。
四人がけの席にでかいリュックとともに座る。
トルコの電車マナーも分かってないし緊張感バクバクだった覚えがある。

電車が止まり、ある駅で一人のオッサンが入って来た。
そして僕の前の席に座る。
ヒゲを蓄えたいかにもなトルコ人。なかなかテンションが上がった。
しかしそのオッサンはかなり憔悴というか狼狽していた。
明らかに様子がおかしい。

薬でもやってんのかと思いながらしばらく観察。
彼は周囲を警戒しながら、ジャケットの内ポケットの当たりを探っている。
小さなビニール袋を取り出し何やら中の物体をごそごそ。
何かと思い、よく見てみると「銃弾」をおもむろに取り出したのである笑

トルコは銃社会だというイメージでは無かったのでめちゃくちゃ焦った。
しかも、しきりに周りを気にしているので、あんまり公になっては行けない行為感が出てた。
(後に調べたところ、所持自体はいいらしいです。でもあんまりイメージ無いよね)

「このオッサン、完全にイリーガル野郎だ!」
その時の僕の感情である。
このまま仲良くなって、ヤバいスポットとか案内してくれないかなという謎の期待もあった笑

この時はまだ日本では見られない光景にテンションが上がっていた。
しばらく観察を続ける。

そうするとオッサンはまた周囲を警戒しながら、鞄の方に手をやった。

「まさか、銃弾があるってことはアレをとりだすのか…?」
イヤな予感は当たった。
オッサンは鞄から「拳銃」を取り出したのである。
まじかよ。
何やら雲行きが怪しくなって来た。

しかもオッサンは何かに怯えながらジャケットを盾に銃に弾を込め始めたのである!
そして僕の方をチラッと確認したような気がした。
電車で即、銃に弾を込める行為。
その行為が意味するものが瞬時に脳内を駆け巡る。

「トレインジャックだ!」
初めて死を覚悟した。
最後とはこんなにもあっけないものなのだ。
おそらくオッサンはこの後大量虐殺を行うのであろう。
入って来た時の狼狽ぶりはこういう理由があったからなのだ。
日本のメディアで邦人男性がトレインジャックに巻き込まれて死亡という報せが何故か脳裏に浮かんだ笑

もうこのままオッサンの前に居たら真っ先に撃たれると思ったので、
僕は生き残るための策を考え始めた。
まず、オッサンの拳銃を奪いさり、「he is murderer!」と叫ぶのが思いついた笑
大量虐殺を未然に防ぎ、乗客全員を救う勇気溢れる行為。
しかし、これは僕が撃たれる可能性が一番高い。
しかもヒーローとか別になりたくないし笑

授業中の妄想みたいな行動は速却下で次の策を考えた。
やはり、「すみやかにこの車両から立ち去る」のが得策だと判明。
どうせ異国の地だし、僕一人が助かればいいのだ。
俺が逃げ出す事によって誰かが変わりに犠牲になる。
いいんだ、人生そんなもんだ。

ごめんよトルコの皆。
そんな事を思い、ダッシュで別車両に逃げ出した。
逃走中に背後から射殺される恐怖はヤバかったが、幸い無事だった。
その後はすぐに乗り換えがあったので、どうなったかは分かっていない。
おそらく何も起きていないだろう笑

今となっては笑い話だが、この時の焦りようは凄まじかった。
まず銃を見たのも初めてだったし、
海外だったらありえそうな虐殺シチュエーションだったからだ。
あのオッサンの様子のおかしさはナンだったんだろうか。

でも、無事で良かった。

これが死にかけた話の一つ目です。
もう一つトルコの地を原チャリ爆走して砂利にタイヤをとられ、
猛スピードで転倒&あばらにヒビというホントに死にかけた事件もあるのですが、
それはまた別のお話。