正直どちらのジャンルもあまり好きではないので、この立ち位置は何なのだろうという興味からの考察。
V系もラノベも詳しくない人の勝手なイメージなのでそこはご愛嬌。
まず、ジャンルの定義が曖昧であることが挙げられる。
V系をカテゴライズするに当たって一番重要視されるのはやはり、見た目である。
あのメイクがV系ですというサインであり、アイデンティティであると考えられる。
ヴィジュアル系と名付けられている程だから相当重要視されるだろう。
しかし、逆に音楽性で言ったらごちゃ混ぜなのだ。
歌い方は確かに特徴はあると思う。
でもメタルぽかったり、普通のロックやメロコアぽいなどジャンルレスなバンドが一つのシーンに蔓延っているというのはかなり特殊である。
個人的にジャンルは音楽性で分けられると思っているので、V系というのは不思議なジャンルだと思う。
つまり、メイクをしていればどんなバンドも精神性はともかく、一般的にはV系に見られうるという事が言える。
対してラノベ。
これの定義も人によって様々で、納得いく答えは出ていない。
強いて言うならばレーベルで分けられたり、挿絵がそれっぽかったらラノベとジャンル分けされる。
しかし、その内容は人によってそれぞれであり、全てを包括するような曖昧なジャンルと言う事が出来るだろう。
学園モノから戦争モノやファンタジーなど雑種なジャンルが一つの「ラノベ」というジャンルに押し込まれているのだ。
このジャンルレスなものを外面によって統一しているという点が二つに共通するものと言う事が出来る。
もうひとつは敷居の低さがあげられる。
どちらとも音楽性や文学性の高さは求められていないため、レベルは低い。
中には演奏が巧かったり、いい文章を書く人は居るかもしれないが、ジャンル全体で言えばそういう要素は積極的に求められていないと言える。
V系で言ったらメンバー、ラノベで言ったらキャラのように音楽や文学を通して偶像崇拝的な楽しみ方をしている人が多いだろう。
なので他のジャンルのものをそれらに持ち込んで、ちょっと巧い事やれば簡単にレベルが高い事をされていると思われがちである。
受け手も専門的なレベルが高くはない人が多いので、楽なジャンルである。
つまり、音楽性や文学性から言えば、他ジャンルから見ると二軍的なポジションに位置するのが特徴的だ。
一軍では通用しなくても、それを二軍に持っていき、その風土にあわせてやれば、比較的楽にそのことを発揮する事が出来る。
初心者向けというか、「きっかけ」としては充分な役割を持つジャンルであると言えよう。
改めて不思議なジャンルである。
最低限の音楽性や文学性は求められるかもしれないが、主体となるのはあくまでメンバーやキャラなのだから。
それさえあれば他ジャンルから見てどんなにしょぼくても一定の需要が存在してしまうのがおもしろい。
やはりそこには手っ取り早く売れたいとか人気が欲しいというような思いがあるのから発展して来たと言えるのかもしれない。
作り手も受け手も少し変わっている日本特有の文化である。