退院したときに替えのでかいカットバン的なものは貰えなかった。
なので二三日したらカットバンがへろへろになってくるのは必然であった。
家を物色しても医療グッズ的なものは我が家に一切無かった。
今思い返すと、我が家は医者から貰った薬以外に頼らない家庭で、市販の薬は一切無いのだ。
だから風邪を引いたときには気合いで直していた思い出がある。
一人暮らしを始め、風邪薬の存在を知り、初めて服用したときにその効力に感動したという薬原始人エピソードもある。
とりあえず、へろへろのカットバンを着けとくわけにはいかないし、かといって何も着けずに空気にさらす訳にも行かないのでティッシュペーパーで代用する事に。
ティッシュペーパーを傷口に当て、お風呂用の防水テープで応急処置完了。
別にその日は特に異常がなかったので、日中それで過ごし、就寝。
しかし、翌朝起床すると、明らかに傷口が痛む。
いかにもばい菌が侵入しましたライクの不衛生なズンとくる痛みだった。
やはりティッシュは向いてない。
しかも傷口から体汁がしみて、ティッシュがグロい色に変色していた。
そして極めつけには、傷口周辺が少し麻痺しているような感覚に陥り、
足全体が血の気が引き、少し黄色がかる腐敗寸前のようなヤバさだった。
おそらくもう少し放置していたら切り落とす事も視野に入れなければならなかっただろう。
さすがにピンチに感じたので、ドラッグストアへダッシュ。
消毒液とちゃんとした奴を買って来て事なきをえた。
あと病院から渡された抗生物質をちゃんと飲んで、一日寝たら直った。
やはり処方されたものはしっかりと服用した方がいい。
衛生意識が高まるハートウォーミングなエピソードでした。
この人、いいギター弾くんですよ。