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2013/09/13

ラスト・ワーク

小学生の頃から暖めていた世にも奇妙な物語っぽい話。

タモリ「ここに一枚の写真があります(鳥が飛び立とうとする写真)。写真というのは時を切り取り、固定する。それが連続する事によって時というのは進んでいくのです(写真がパラパラ漫画のような連続体になり、飛び立つ鳥)。もし貴方がそんな時間停止に巻き込まれてしまったらどうしますか?」

ある晴れた日の昼下がり、主人公は道を歩いていた。
突如鳴り響くクラクション。
振り返ると自分に向かって車が突っ込んでくるのが分かり、一瞬のうちに諦める。
しかし、目の前で車は停止し、間一髪で助かる。
どうやら車が止まったのではなく、時が停止したようであった。

自分以外の人間は完全にフリーズし、静寂が訪れるのに戸惑う主人公。
最初は困惑していたが、時間が止まっているのをいい事に考えつく全ての行為を行う。
しかし、そんな遊びにもすぐ飽きてしまい、死のうかと考えるが、どうやら無理らしい。
なんとかして時間を進めようとそこから主人公の奮闘が始まった。

人の体を触ってみると、ある一定の方向にだけ決まった範囲動かせる事が判明。
どうやらその人達の次の行動分だけ動かせるらしい。
コレを地球全員分に施せば時間が進むのではないかと思った主人公の孤独な旅がはじまった。
歩いている人をアシストしたり、バランスを崩しそうになっている人が耐えようとしているのを元に戻したりする。
中には事故の直前で時間が止まっており、死を回避で出来ない者や飛び降り自殺直前をアシストしなければならない事もあった。
それぞれの「一瞬」を進める事に戸惑いを覚える主人公。
しかし、コレが運命だと信じてひたすらに人々を動かしていった。

何十年も経過した。
ついに全ての人間の行動を一歩づつ進める事に成功した。
そのとき、ある一筋の光が見えた。
ついにその時が来たのだ。
その光源を目指して一目散に走り出す主人公。
そこには固まったままの半透明な自分の姿があった。
しかし、目の前には自分に向かって突っ込んでる車もあり、戸惑う主人公。
でも、ここに重なればすべてが終わるのだろう。
そう確信した主人公はコレまでの事を思い出しながら、自分の陰に身体を重ね合わせる。
覚悟は出来ていた。

次の瞬間であった。
時間が再び動き出したのである。
喜びをかみしめる主人公だったが、その時間は数秒も無かった。
案の定、主人公に車が突っ込んで来てブラックアウト。
彼は死んでしまった。
そして時は何事も無かったかのように進み続けていった。

途絶え行く意識の中で彼はある事を悟った。
死にゆく人間は死の一秒前に最後の仕事を与えられる。
そう、それは世の中の時間を一秒だけ進める事であった。
死に行くものは皆、最後にこの試練をこなす事によって、時間というのは少しづつ進んでいくのである。
そうやって人間は時を刻み繁栄を繰り返して来たのであった。

タモリ「人々の犠牲のもとに時というのは刻まれていったのですねえ。私たちの何気ない日常が彼のような犠牲の上に成り立っていると考えると少々、心が痛むよーな気もします。」
カメラが引くと、半透明で静止したタモリが画面の右端に。
それに気付くとカメラ目線になり、画面に向かって微笑みかけるタモリで終了。