2013/10/20

ジョジュツトリック

ミステリにおいて様々なトリックがあります。
密室トリックだったりアリバイトリックだったりと、「犯人が探偵」を欺くものが基本的なものです。
しかし叙述トリックと分類されるものはコレとは少し違って、「作者が読者」を欺くためのものなんですね。

小説は文章のみで構成される事をいい事に読者の思い込みやミスリードを誘い、意外な事実を隠蔽する、コレが叙述トリックなんです。
例えば、「主人公は男だととれるように描写していてじつは女だった」とか「二人の登場人物であるように描写して実は一人の事だった」みたいなものがあります。
登場人物の周知の事実を読者にだけ教えない、みたいな。
基本的にミステリにおいて映像化不可能と言われている作品はコレがある事が多いです。
まあ引っ掛けクイズを小説全編に張り巡らしたって感じですね。
僕はこういうハッとさせられるのが大好きです。

ミステリを読んでいて一番好きな瞬間がこの瞬間かもしれません。
意識の外からガツンと殴られたような衝撃が堪りません。
そして全て読み終えたあとにもう一度確認すると確かに嘘は書いてない!ってときの確認作業の時の幸福感は至高。
まんまと企みに嵌められたらココまで爽快になるんですよ。

しかし、このトリックの欠点は耐性がついてくる事なんです。
言ってしまえば一発ネタ。
一度使ってしまえばもう二度と使えないし、同じよなネタをされてもたいした驚きはありません。
しかも必然的にネタバレ厳禁になるので、皆でおおっぴらに語り合えないという欠点もあります。
あと「叙述トリックがあるよ」って分かった状態で読んでもそのサプライズは半減されてしまうのです。
性質上、悲しい運命を背負っているトリックでしょう。

叙述トリックの傑作なんて作品を生み出してしまった作者なんかはいつまでもその呪いにつきまとわれるのですね。
新しいものを出しても必ず過去のものと比較され勝手にガッカリされる。
創作においてはつきまとうものかも知れませんが、叙述トリックは性質上その傾向が強いと思います。

また、ネタも有限です。
捉えようによっては無限の可能性を秘めていますが、何冊もそういう系をたしなんでいると大体の傾向が把握できてきて、出会い立ての時のような衝撃とときめきは無くなっていくものです。
舌が肥えて来てしまった時の悲しさったらない。

最近ではもう叙述トリック一発大ネタって感じではなく、一つの作品に何個も仕込まれていたり、さりげない要素として取り入れられている事が多いですね。
既存のネタをいかにアレンジできるかってところも重視されている気がします。

まあもう出尽くしたみたいに嘆いている僕は凡人なのでそう思っているだけかも知れません。
まだまだ可能性はあると信じています。  
その中でも特に麻耶雄嵩には期待したいです。
メルカトルシリーズでおなじみ、熱狂的な信者をもつマーヤ。
そのゴリゴリに尖りきった作品達は舌が肥え、普通のミステリで満足できなくなった人たちの受け皿となり、一部(?)で爆発な人気を誇っています。

僕は特に「蛍」と「鴉」この二つの長編が大好きです。
ちょうどミステリを読み始めてしばらくして、 最初はビビったけどこんなもんかよと少し調子に乗っていた時期に出会えたのが良かった。
ネタバレになりますが、いわゆるこの作品達も叙述トリックを使用していて、その使い方が凄かったんです。
逆転の発想と言うか、まだまだこのトリックの可能性を見いだせて嬉しくなりました。
是非読んでいただきたいと思います。

最近では貴族探偵の「こうもり」という短編が凄まじかった。
嘘は書いてないよ?というドヤ顔が目に浮かびます。
同時にこのトリックを考えつくのは素人には無理だなと思わされます。
あと頭こんがらがらずに良く書けたと感心する事間違い無しです。

出来れば記憶を消してもう一度。

2013/10/16

迷子番組

寝る前に良く妄想をするのですが、最近嵌っているのが「気がつくといきなり富山県辺りの地方都市にワープしていた」という妄想です。
携帯もお金も持ってない状態で全く知らない街からスタートして、どうにか頭と足を使って自宅へ帰るのか試行錯誤するのが堪りません。
いわゆる「迷子」に憧れるんですね。

全く知らない街を徘徊しながら、見た事あるような無いような光景を思い浮かべ散歩する。
まさにロマンですよ。

だからテレビとかで迷子番組やってくれないかな。
主人公は目隠しで車に乗せられ、どっかに連れて行かれる。
そして見知らぬ地でおろされ迷子スタートみたいな。
なるべく世間知らずで方向音痴な馬鹿な奴が適任ですね。
日本地図とか都道府県全部言えないような馬鹿だと迷子番組がかなりいいものになると思います。

 あと主人公も見ず知らずの二人組にすると更にいいかもしれない。
童貞大学生とゴリゴリのギャルとか、小学生とオッサンみたいなミスマッチな組み合わせが更にエモさをそそると思います。
というかそういう水と油な二人組が協力して旅する番組は当たると思うんですがどうでしょうか?

例えば似たので言えばテレ東でやってる蛭子さんの旅番組とかおもしろいよね。
太川っていう真面目な人といい加減な蛭子さん+女性ゲストでバスを乗り継いで目的地を目指す奴なんだけど、これが最高なんです。
バスの待ち時間にいきなりパチンコにいく蛭子さんとかマジで吹く。
一度ご覧になってください。

2013/10/11

ザ・できてあたりまえ

自分を鼓舞するときよく「出来て当たり前」というフレーズを多用します。
基本的に試験勉強とかで死にそうになっているときに多様するんですが、
「やってない」は言い訳であってこのぐらいやってなくても「できてあたりえ」なんですね。

自分のぶち当たってる壁ってのは乗り越えれて当たり前なんですよ。
というか出来ないというのはそのレベルではありえないんです。
いかに自分が恥ずかしい考えなのか自覚しましょう。
しっかりやれば個人差はあるものの出来て当たり前な事ばっか。
だから言い訳する前に実行しろと。
むしろ本気出して出来ない方がださいみたいな。

あと自分の中の価値観で一番重要視しているのはいかにダサくない行動をとるかというのもあります。
「ださい」と思われるのが一番恥ずかしい。
「センスない」と似たようなニュアンスですが、別にセンスがありたい訳じゃないんです。
ださくなかったらいいですね。
最低限のラインはきちんと知っておきたい。

そのいいラインを見極めるのが大変。
いかに客観的になれるかが重要で自己の価値観に固執しすぎるのもよくないです。
でも無難になり過ぎてつまらない人になるのも嫌いなのですよ。

だから「ださくない界」では出来て当たり前のことを実行していきたいですね。
なんでもそつなくこなすのが理想。
でも平均すぎるのも嫌ですよ。

ハイ、終了。

 
なぜかenvyが楽曲提供。原点回帰な直球サウンドでカッコイイ。

2013/10/10

the band apart TOKUMARU e.p.


バンアパのシングル出ました。
会場限定との事でしたが公式の通販にも対応してくれたのが嬉しい。
全三曲で相変わらず日本詩、そして仇になってものPV付きという太っ腹加減。
PVの方はライブの映像+音源に川崎出演のミニドラマみたいのが入ってます。

このPVがまあ面白い。
とあるカップルのお話で、浮気を疑う彼女が彼氏を尾行していたら、川崎とホモカップルだったというカオスなもの。
そして彼女は川崎を刺しに包丁片手にライブハウスに向い、曲が終わると同時に舞台袖まで来てエンド笑
どういう発想なんだろうか。
是非見ていただきたい。

M-1 クレメンタイン
どこか切ない雰囲気のある懐かしい感じの曲です。
リフレインされる荒井ギターフレーズがクセになって中毒性が高い。
そしていい感じにサビまで突入したかと思うと途中で転調!
しかし転調後もいい感じにエモいメロディをつなげてきます。
変なコード進行をここまで仕上げるのは凄いですね。

このひねくれ加減は恐らく原曲でしょうね。
歌詞の「魔女リティ」がそんな感じ。
一筋縄ではいかないPOP感が最高です。
爽やかなメロの途中でいきなり転調で言ったらeufoniusに似てる感じですね。

M-2 秋風
冒頭の哀愁溢れるアコギから分かるようにもの悲しい曲。
荒井さんのソロ曲っぽい正統派な曲にバンアパの融合って感じですかね。
タイトル通り秋っぽい哀愁全開の歌モノな曲です。
緊張感のあるアルペジオがあまりバンアパっぽくないのが印象的。

M-3 プリテンダー
切なPOP感が堪りません。
上手く形容できないけどこういう曲って好き。
いいアニメのエンディングみたいな笑
何故かスタッフロールが似合う感じがしません?

サビの歌メロと川崎のギターの痒いところに手が届く感じが泣けます。
アウトロの一瞬タメるところもツボです。

今までのバンアパとは少し違ったラインの曲達って感じですかね。
やっぱり日本語になってから歌ものになってきた感じは否めません。
でもそれが逆にいい感じの90年代JPOP感を醸し出してきてツボです。

今の季節だからかもしれないけど「秋」って感じにぴったりな曲ばかり。
久しぶりに長袖着たときのぬくもり切なさのあの感じ。
夕方になったときの急激な寒さみたいな。