バンアパシングル出ました。
一つ前のシングル、tokumaru e.p.から八ヶ月という今までだとあり得ないペースでの発表。
作詞作曲分業体制やその前のシングルからの日本語化が色々バンド内に変化をもたらしてるんでしょうか。
ちょっと調べるとアジゴシも体制が変わったみたいで自分たちの意志でゴーサインが出せるみたいなことも言ってます。
今回のシングルはプロモーションに力を入れていたので、いろいろと制作秘話みたいのが聴けて満足ですね。
特にバンアパの場合、誰が作った曲とか、元ネタとかを掘り下げるのが楽しいので、こういうメンバーの考えが発信される場が多く設けられるのはリスナーとして嬉しい限りです。
また、BONGO e.p.というシングルタイトルは全ての楽曲に打楽器のコンガが使用されている事に由来しており、最初はコンガイーピーだったけどボンゴの方がださいから、という理由で採用されたというバンアパらしさ笑
ゴルフ感であったり、ダサさを絶妙なセンスでシャレオツに昇華してるのが上手いですよね。(確かにダサイという先入観を持つと、ダサく感じることもある笑)
それで、今回も先述した通り日本詩、分業体制らしいんですが、今回は完全分業に飽きたらしく、少しづつ皆のアイディアを反映させて行こうという流れになったらしいです。
元ネタを持っていって後は皆で作るみたいな感じ。
次からは合宿とかして、皆で作りたいとの事。
確かレコグナイズイーピーは合宿して作ったんでしたっけ?
寝る前の人生ゲームが合宿中唯一の楽しみだったってのをどっかの記事で見た気がします。
それでは全曲の感想を。
M-1 誰も知らないカーニバル
PVにもなっており、一応リードトラックに値するんでしょうか。
今回の四曲で言えば一番「現在のバンアパ」を表している曲だと思います。
担当は原さんで、随所にこだわりの見えるいい感じのナンバーです。
聞き込む程味が出てきそうな曲ですね。
メインのリフがいいよね。
バンアパって歌の無い状態を完璧に仕上げることが多いらしいです。
だからインストでも聴けちゃうクオリティに持って行けるんだよね。
あとサビのかすかに聞こえる高音コーラスがいい味だしてます。
特に日本語になってから歌詞の意味がダイレクトになっていて、原さんのセンスを直で感じられて好きですね。
「漢気で飯は食えない」ってのが凄いグッと来た。
それまでも原曲(はらきょく)だと自信の父親に対して歌詞を描いてると言ってたんですが、今回もそれに近いような感じなんでしょうかね。
あと原さんの楽曲制作に対する価値観として、「自分が金を出してこの曲を買うか」というものがあってそれが凄い好き。
pvはスーツでびしっと決めており、曰く「結婚式の二次会をイメージした」との事。
あと最初のテロップが「the band aprt」っていうミスり加減笑
ちなみにpv監督は同時発売の映像作品「510×283」を担当している方で、川崎の後輩で某ジェイ○ムの契約社員らしいです笑
さらにこれはマジでどうでもいいと思うんですが、今回のDVDに自分が若干映ってました。
BIGCATのライブで川崎が珍しくMCをするっていうVTRがあるんだけど、その登場前に、スマホ掲げて写真撮ってる不届き者が僕ね笑
演奏中じゃないから大丈夫だろうとビビり散らしながら記念に激写。 |
正直、ライブハウスの撮影がアウトとかグレーとかはっきり分かってなかった自分としては、川崎が出て来て「録音とか撮影が…」って言われた時は一瞬ビビり狂ったね笑
その前ぐらいに荒井さんのソロの違法録音とか出回ってたし、そういうのを把握したバンド側が直々に注意したのかと勝手に恐れ戦きましたよ。
「自分の知らないところで同じように撮影とかしまくってる奴がいるんだ、やっべ!」みたいな笑
回りの人の目線を勝手に感じ、独り吊るし上げられているような嫌な汗をかいたのを覚えてます。
まあ結局は機材の不調で申し訳なくて謝罪したっていう、自分の心配とは全く関係ないオチなんですが、映像として記憶されていると、見るまで忘れてたこんな罪悪感に溢れた被害妄想的な思い出が鮮明に呼び起こされるって訳ですよ笑
いい思い出ですね。
しかしあの日のライブでそんな機材トラブルがあったなんて全く気付かなかったなー。
M-2 The Base
疾走感溢れるロックナンバーとでも形容しましょうか。
川崎曲であり、リードギター川崎節全開のストレートな曲でありますね。
元々、今回のシングルはbpm120程度で四曲つなげようと言うコンセプトがあったらしいですが、この曲だけbpm180という爆速加減で破綻したらしいです。
あまりバンアパっぽくないラインの曲だと感じますね。
すげー早いし笑
まあ、本人達も「自分たちが作れば何でもバンアパらしさは出るから、らしさを無理にこだわっているところはない」とか「楽曲制作は卒アルとか記念撮影みたいなもので、その時の自分たちの記録」と言ってます。
この考え方凄い好き。
でもc.a.hとかbindとかblackといい、川崎マインドみたいのが一貫して感じられるのはいいよね。
サビで一気に転調して少しハッとするような展開が好きです。
歌詞もご近所トラブルを表現しているらしく、川崎家の隣のババアが頭おかしく、色々こまっているのをあらわしてるそうです。
あとコレもPVになってるんだけど、凄い90年代のバンド集がする映像だと思う。
カラオケでPV付きの曲で後ろに流れてそうな映像イメージが浮かびます。
M-3 来世BOX
コレは小暮さん担当のノスタルジー溢れる曲。
歌詞と曲調のマッチングが素晴らしい。
昔仲良かったけど最近会わなくなってしまった人々や自身の祖母との思い出を歌ったエモい感じの曲です。
本人曰く、「藤子不二雄感がある」とのこと。
全体のコード感とか間奏のギターの謎エフェクトが堪りません。
間奏のピョコピョコ鳴ってる部分のエセ南国リゾート感たるや!
個人的には子供の頃見ていたアニメのエンディングとか、暑い夏の日の夕方に散歩ってイメージが浮かんできました。
今回のシングルで初聴では一番心掴まれてますね。
寂し懐かしい気分になって泣きそうになるんですよ。
夏休み感が凄いある。
あと歌詞の(ソース入れた)ってのがツボ。
歌詞カードに丁寧に括弧までつけられてポツンと(ソース入れた)という字面が面白過ぎる。
こういう遊び心(?)が堪りません。
M-4 環状の赤
最後は荒井さん担当の曲。
イントロの荒くれ者フレーズから一転してAメロはアメリカっぽいパート、Bメロはゴルフ感、そして泣けるサビへとつながるんですが、不思議とまとまりがある!
ライさんは日本詩になってからメロディーメーカーとしての才能を遺憾なく発揮して来ている印象がありますね。
サビのメロディが堪りません。
誰が聴いても気持ち良さを感じるセンス溢れるメロディで、おばあさんに聴かしても好評価を得られそうな普遍性があるよね笑
それとBメロの川崎のギターフレーズのゴルフ感が凄まじい。
ゴルフ場と爽快な青空を浮かべずには居られません。(海辺が近そうなところね笑)
歌詞に関して言えば、元々別の歌詞があり、北斗の拳っぽい熱さがあったらしいので急遽書き換えがされたようです。
それと、ライさんの歌詞って「テールライト」とか「ネオン」とか街感があるよなーなんて思ったり。
今回のシングルも個人的には満足で、何十年後にも聴けそうなセンスが堪りません。
僕の中ではバンアパって今、三期目ぐらいの感覚なんですよ。
1stから4thアルバムまでが同じ方向性の第一期なんですね。
クリーントーンを多用するオシャレなバンドって印象で、メロコアから始まり、ジャズ、フュージョン、ファンクを中心に取り入れたセンスのバンドというイメージ。
それで5thアルバムから一皮むけたなーって印象でそこからが第二期。
分業体制もココから始まり、いろいろと環境も変化したんでしょうね。
個人的には楽曲に色がついて来たというか、似たり寄ったり感がなくなって(別に第一期が似たり寄ったりって訳ではなくて、よりクリアに色がついて来たイメージ)、遊びの部分が増えたかなという印象なんです。
それから日本語シングル、6thアルバム、徳丸epまでが第二期。
それでこのシングルから第三期に移行しつつあるなーという印象。
だから2.5期ぐらいのイメージです。
大人っぽさというか、若さ故の尖り加減みたいのがなくなって、肩の力抜いて作ってる感覚ですね。(それでもレコーディングは毎回地獄という笑)
こうやって長い間、新たな発想に基づく楽曲を作ってくれてるのは素晴らしい事です。
基本的にバンドって長く続くと、どっかでガッカリアルバムとかいわゆる「枯れた」感みたいのを感じる事があり、少し切なくなっちゃうんですが、バンアパに限っては無い!
あと同時発売のDVDで荒井さんも「聴いてる人の青春に食い込めるような音楽をやっていきたい」と述べてましたが、確実に僕の青春に食い込んでます!!