2013/09/30

鉄鋼野郎Feチーム

子供の頃、車に手首を轢かれた。
しかし無傷だったのが今でも謎である。

確か家の道路で一人でサッカーをしていた時の事だった。
孤独にドリブルにいそしむ僕の前に一台の車が現れた。

それは隣の家の人の車で駐車しようとゆっくりと侵入して来たのだ。
サッカーのトレーニングを瞬時にやめ、車の邪魔にならないように待機する。
我ながら出来た子供である笑

しかし、何かの弾みにボールが車の方にこぼれてしまったのを覚えている。
ちょうどボールが車の後輪に轢かれそうな感じなった。
「ボールが破裂する!」
車の心配よりもボールの心配をするところが子供である。

気付いたら自然に身体が反応していた。
ゆっくりと接近する車の後輪の前方に緩やかに転がっていくボールを弾こうと、右手が出た。

その瞬間であった。
ちょうど後輪がボールに乗り上げてしまったのだ。
そしてその隙間に何故か入る僕の右手笑
下から、地面→ボール→右手→後輪と行った具合に見事に挟み込まれてしまった。
その重さはセダンなので約一トン、後輪分なので四分の一の250キロが右手に掛かったのだ。

激痛が走るが、なかなか車はどけない。
十秒ぐらいした後、やっと車が乗り過ぎていった。
解放された僕は涙目になりながらボールを回収し、ダッシュで家の中に逃走を図る。
しかし、不思議と痛みも怪我も無く、無傷に生還したのである。

恐らく、下のボールがクッションとなりその重さを軽減してくれたのだろう。
しかし当時の僕としては「車に押しつぶされても怪我をしない鋼鉄の肉体を持つ男」と思い込んでしまったのである。
鋼マンとして友人達にふいて回ったのはいうまでもない。

2013/09/29

キャッツの「ツ」の連続を気にし始めるとキャベツ食べたくなる。

この前も書いたが、最近大学猫にド嵌りしている。
暇さえあれば、大学に出向いてまたたび片手に猫と戯れる。
趣味も楽しみも無い僕としてはコレだけで楽しい。
小学生レベルの楽しみなのだが、なかなか抜け出せない。

最近では隠れる事無く堂々とベンチに座り、タバコを吸いながら自分の回りにまたたびを一振りすると、匂いにつられわさわさと猫達が集まってくる。
「別に猫に興味は無いけど、動物を寄せ付けちゃう体質の人」感を道行く人々にアピールできるのが溜まらない笑
実際はまたたびの力なのだが、道行く人々には愛され体質の素敵人間に映っていることだろう。
というか集まり過ぎて猫の中に人間が居るという図に見えると思う。

とりあえず猫に夜中会いにいくために体内時計がおかしな事になっているので直したい。
日常生活に支障を来し過ぎな趣味である。
人間と猫は違う種族だから、猫はそこらへんを分かってくれない。
我々には日常生活があるのだ。
猫はあほみたいな生活が出来て羨ましい。

だからそんな逃避のために人間達は猫達を愛でて、飼い始めたのかもしれない。
愛玩や鼠退治などの意味合いもあるかもしれないが、その根本には脱力で自由な生活をそこに夢見ていたのだろう。
自分にできない事を猫に託す。
ムスコにプロ野球選手を目指させるオヤジみたいな思想がそこには詰まっているのだ。

2013/09/27

尾行備考微香

ストーキングに昔嵌っていた。
可愛い女の子に付いていったりするゴリゴリの犯罪行為ではない。
街でたまたま目についたおっさんやイケてない男子学生の後をつけるのが楽しいのだ。

これもある意味ストーカーかもしれないけど、犯罪ではないだろう笑
おっさんを尾行し、行動を探る。
ゴールはその人の家。
その人の家や見た目から人となりを想像して、独り悦に入るのだ。
イケてない学生なんかは特に妄想が捗る。
家が新興住宅地にあり、ちょっと豪華な感じだと、更にエモさに拍車がかかる。
恐らくひとりっこで手厚く育てられているものの、学校では二軍に所属し、馬鹿にされる人生を送っていると思うと切ない。
しかし、勉強はできるので彼の人生は上向きになっていくだろう。
完全に偏見をもとにした妄想なのだが素晴らしい。

あと、尾行する人ともう二度とあえないと思うと切なさがマックス。
まさに一期一会の出会いなのだ。
もう人生で交わることがないと思うと、泣きそうになっておすすめです。

でも、あるとき客観的に見て気持ち悪いとおもったので辞めました笑

2013/09/25

またたび

ついにまたたびを入手したので、それを片手にこの前学校内に発見した猫ベースへ突入。
今回も深夜四時の突入であったが、全ての猫が起きていた。
こいつらいつ寝てるのか疑問が残る。

暗闇の侵入者に猫達はびびり、ちりぢりになっていく。
警戒する猫達と距離を置きながらの観察がこれまでは続いていたが、今回は秘密兵器を投入。
自分の周囲に粉末状のまたたびをまんべんなく振りかける。
そうしてしばらく待つと、その匂いを感じ取ったのか一匹の猫が警戒しながらも接近して来たのであった。

しばらく様子を見ているとぺろぺろとまたたびを舐め始めた。
そしてついに横になり、酔っぱらいのような状態になった。
さすが猫界の合法大麻である。
その効果はてきめんで、身体の力が抜け、完全にラリっていた。

それに連鎖するように周囲の猫たちも吸い寄せられていき、順当にラリっていく。
深夜のドラッグパーティーの始まりである。
十匹程度の野良猫達が自分を囲んで脱力をし始める様は爽快だった。
恐らく教祖様はこんな気分が毎日味わえるのだろう。
そりゃ宗教が流行る意味も分かる。

ベロンベロンになった猫達を観察しながら一人で爆笑していると、 通りに謎の車が通過した。
よく見ると警備会社の車で敷地内をパトロールしていたのだ。
ドラッグパーティーから一瞬で緊張が走る。
今バレたら絶対捕まると思ったので茂みの中に身を隠す。
この緊張感はヤバかった。
夜中の四時に茂みの中で隠れているところを見つかるなんて、イリーガル行為しか捉えられないからである。
しかも粉末状のまたたびもドラッグだと勘違いされるに決まっている。
「猫の世話をしてまして…」というのも言い訳にしか思えない。

でも本当に怖かったのは「野糞をしている」と勘違いされる事であった笑
ドラッグよりノグソだと勘違いされる方が恥ずかしい。

しかし上手く隠れることができてその場をやり過ごせた。
忍者の末裔ではないかと自分を疑ったものである。
恐怖でいっぱいになったのでその場を立ち去り、敷地からそそくさと退散する。

帰り道にそのセキュリティーカーと鉢合わせ、散歩している人を演じながらもめちゃくちゃ動揺したのはまた別のお話。